名古屋の占いカフェ e-majo(イーマジョ)
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ホラリー占星術について、その50「続々・彼はこの車を買えますか?」

アルカスですこんにちは。
いつもご愛読ありがとうございます。心より感謝しております。

名古屋栄イーマジョにて、対面鑑定の占い師をやっております。
霊感は多分無いです(笑)。西洋占星術一本で観させていただいております。
大体火、水、土、日に入っております。特に日曜日は是非遊びにいらしてください。
お待ちしております!

これが最後になります。一つ是非書いておきたい重要事項と
二つほどの薄目の事項とが前2回分でこぼれてしまいましたので
その為に延長戦みたいな形で、挟ませていただきます。

hc48

まず本チャート7惑星のディグニティを念のため調べてみたのですが、
自身のディグニティを持っている惑星が金星しかありません。
しかもフェイスです。フェイスは5つのディグニティの中で、最も点数的に低いものです。
まあディグニティを全く持っていない=ペレグリンよりは全然マシなんですが。

あとは
ペレグリン:太陽、月、水星、火星、木星、土星
デトリメント:木星
フォール:金星、太陽

とまあ惨憺たる状況です。

ペレグリンとは何か。英語でperegrineとは放浪する、流浪する、海外居住者、旅行者との意味があります。

これってこう書くと綺麗に聞こえるんですが、僕の感覚ではホームレスを指します。
今日泊まる宿を持たない、帰る家を持たない人たちの事をこう呼ぶと僕は見ます。

よってペレグリンとなっている6つの惑星はホームレス状態です。
状況をどうにかする力に欠けています。流されるのみ的な存在です。

デトリメントは「重病人」です。
木星は橋の下で寝ていて、しかも重篤な病を抱えています。

フォールは「怪我人」です。
太陽は公園のベンチに佇んでいて、肋骨かどこかを折っています。

金星は唯一フェイスのディグニティを持っていますので、ビジネスホテルに泊まれます。
ただ彼女もどこかに傷を負っています。

惑星は強い方が良いに越したことはなく、しかしながら金星を除く全ての星が放浪者状態となっている本チャートでは、他の副次的要素による強弱のプラスが大変大事になってきます。

これは煎じ詰めるなら、「私たち」の水星と「先約」の木星の二者による対決チャートです。
「こちら側」水星は3室にあります。3,6,9,12室のグループをケーデントハウスと呼ぶのですが、ケーデントはハウスのグループの中で一番弱いとされています。
その存在はチャートの中で薄ぼんやりと霞みます。
なんだかよく見えないんですね。

「あちら側」木星は10室。アングルハウス1,4,7,10室のグループ内です。
ハウスのグループの中で最も強いグループがこのアングルです。
よって、木星はここにある事により、その身が乞食だろうと、がん患者であろうとその存在を強く主張できます。

木星側にまずはアドバンテージを与えられる配置と言えます。

更に火星が新しい車の象徴とみなすのなら、火星は射手のサインにあります。
射手サインは木星によって支配されており、水星をデトリメントで受けます。
つまり射手国においては主に木星様大歓迎、水星の野郎はどっか他を当たれ的な場所なんです。

火星はこの射手サインにあり、サインの空気に染まっておりますので、より木星との縁があるとする暗示が、ここにも出ているような気がしてなりません。

もう一つ、水星と木星は恒星の影響を共に受けています。
水星はかんむり座のα星アルフェッカ(蠍12.28度)と、木星はオリオン座のβ星リゲル(双子17度)と、です。

水星がアルフェッカと絡んでいる場合の意味は以下の通りです。
・行動より悶々悩むタイプ・やや怠惰・友人からの援助
・小さいことにこだわるが浪費癖・敵による損失

木星-リゲルの組み合わせは以下の通りの意味を持ちます。
・大きな社会的、宗教的昇進・多くの旅・海外の事項で幸運
・結婚幸運
(いずれもV.E.ロブソン「Fixed stars & constellations」より)

この点でも木星の方が有利かな、という印象を受けます。
結婚という言葉は、男女のそれも当然表しますが、交渉の成功とか契約の締結とか、広義のそういった意味合いも含むでしょう。

損失、浪費との言葉はちょっと水星には不利に聞こえます。

最後にもう一つだけ、月が太陽に接近している証明について申し上げ、この項の終わりとさせていただきたいと思います。
これが本チャートにとっての最重要証明と信じます。

月は11室を司る蟹サインの支配星です。
その月は天秤サイン10度52分にあり、同サイン21度45分にある太陽に合接近しています。
その差は10度53分です。アンダー・ザ・サンビームスが宣言される近さです。

この証明について、イギリス17世紀、ウィリアム・リリーと同時代に、同じロンドンで活動した占星術師ヘンリー・コーレイ(Henry coley 1633-95)の著書「Key to the whole art of astrology」より、以下の文をご紹介します。

「月にとっての最悪の損傷は、太陽とのコンジャンクトである。そしてシグニフィケイターとなる惑星が地平線下もしくは太陽のビームス内にあるなら、どんな質問の成り行きも、不明瞭で曖昧なものとなる。」

月は太陽にコンジャンクション接近する時が最も悪く、この暗示より殆ど希望らしきものは見出せません。
質問者もしくは質問事項の象徴星が地平線下か、太陽のコンバストもしくはビームス下にあるなら、質問の成り行きは手応えの無いものです。

とこの文章を僕なりに解釈します。
特に月は、新月に入ろうとするモードで太陽のすぐそばまで来ているなら、ホラリーチャートでは「見込みなし」という暗示です。

月は太陽に重なる前に、木星とトラインします。
月が火星の光を木星に渡すトランスレーション・オブ・ライトの成立と、月が太陽の光に焼かれるサンビームスの証明はセットになって、二重に質問者に「諦めろ」と言っているように見えます。

ホラリーにおいて一番ヤバいのは「月の、太陽への接近コンジャンクション」です。
これをいつも気に留めておかなくてはならないと、改めて感じた今回の事案でした。

今回もご愛読ありがとうございました。
また新たなチャートについて、近日中に書かせていただきます。

アルカス