〜「なんとなく落ち着かない」その感覚は、環境からのサインかもしれません。席の向きから移転の方角まで、経営判断にもう一つの軸を。
数字は追えている。スタッフもよく動いてくれている。それなのに、朝一番に自分の席に座った瞬間、なぜか気が散ってしまう——そんな感覚を抱えたまま、上半期を走り切った方もいらっしゃるかもしれません。
考える時間は取っているのに、結論が出ない。そんなとき私たちはつい、自分の集中力が落ちているのだと思ってしまいます。
けれど、判断がぶれる原因は、能力ではなく環境の側にあるのかもしれません。
東洋には、環境と運気の関係を二千年以上かけて体系化してきた考え方があります。それが「風水」であり、方位という切り口をさらに個人単位に落とし込んだのが「九星気学」です。
なぜ事務所や店舗の環境が経営判断に関わると考えられてきたのか
風水は、もともと占いというより環境学として発展してきました。土地の形や建物の向きといった環境が、そこで暮らす人や働く人の状態を左右するという発想です。中国では都市計画や城の設計にも用いられてきました。
風水が扱うのは、あくまで「場所」です。この部屋のこの位置は、誰が座ってもこういう性質を持つという、空間そのものへのアプローチ。だからこそ、事務所のレイアウトや店舗の間取り、デスクの配置といった、日々の仕事の土台になる部分に効いてきます。
その根本にあるのが「陰陽五行」という考え方です。世界のあらゆるものを木・火・土・金・水の五つの性質に分け、八つの方位にもそれぞれ異なる運気が宿ると捉えます。
「東」は木のエネルギーで発展や成長を、「南」は火のエネルギーで発信力や評判を、「西」は金のエネルギーで金銭や楽しみ、「北」は水のエネルギーで信頼や蓄えを司る——というように。
もちろん、科学的に実証された法則ではありません。長い年月をかけて蓄積されてきた経験則であり、伝統的な知恵です。
効くか効かないかを白黒つける前に、判断材料を一つ増やすという受け止め方がよいのではないでしょうか。
事務所・店舗で見直したい風水の3つのチェックポイント
1:社長席は壁を背にする配置が風水の基本
風水の基本とされるのが、背後に壁があり、入口が視界に入る位置です。背後が通路や大きなガラス面だと、常に無防備な状態が続き、落ち着いて考えることができないとされます。社長席や経営者のデスクほど、これが効いてくると考えられています。
たとえば、サロンのバックヤードや小さな事務所で、デスクが入口に背を向けて置かれている——決して珍しくない配置です。スタッフが通るたびに、無意識に顔を上げてしまう。それを一日に何十回と繰り返すうちに、腰を据えて考えるはずだった時間が、少しずつ細切れになっていく。心当たりはないでしょうか。向きを変えるだけなら、費用もかかりません。
また、社長席の位置は、部屋の北西エリアが適しているとされます。北西は「主人の方位」と呼ばれ、責任を負う立場や社会的な評価、人を統率する運気を司ると考えられている方位です。
2:運気が上がるデスクの向きはどれか
デスクをどちらに向けるかは、そのとき力を借りたい運気から選ぶ、という考え方もあります。新規事業を立ち上げる時期なら成長を意味する「東」、認知を広げたい時期なら発信力の「南」、既存顧客との関係を深めたい時期なら人との縁を司る「南東」、といった具合です。
腰を据えて考えたい時期なら「北」という選択肢もあります。北は水の気を持ち、静けさや集中、蓄えを司るとされる方位です。数字と向き合う、事業計画を立て直す、そうした作業が続く時期にはこの向きが合うと考えられています。
興味深いのは「今なぜか座りたくない席」があるということです。風水の考え方を借りるなら、その位置が持つ性質と、今の自分の事業フェーズが噛み合っていない。そんなふうに受け止めてみることもできます。
3:事務所の中で「気の流れ」が止まっている場所がないか
風水では、気は水のように流れるものと考えます。流れが止まると澱む。なので、書類の山、開けていない段ボール、使わなくなった什器といった「動いていないもの」は、気の流れを止め、運気を下げるとされます。
風水の理屈を脇に置いても、判断に迷いが出ている時期の事務所ほど、保留になっているものが積み上がっているのは確かです。
まず見ていただきたいのは、入口から自分の席までの通り道です。風水では、気は人と同じように入口から入ってくると考えます。その動線に荷物が置かれ、遠回りしている場所があるなら、そこから空けていくのが優先です。
次に、床の直置きを減らすこと。今すぐ捨てるかどうか決められなくても、床から上げるだけで、気の通り道は戻ってきます。
書類の山は、一枚ずつ「いつ決めるか」の日付を入れれば自然と減っていきます。一度に全部やらなくても、通り道・床・書類の順で十分です。
九星気学でわかる経営者自身の吉方位
ここまでの風水の話は、その場所を使う人が誰であっても当てはまる一般論です。
ただ、経営者の方ほど、こう思われるのではないでしょうか。「一般論はわかったけれど、うちの場合は?」
その問いに答えるのが、九星気学という方位の考え方です。
風水が「場所」を見るのに対して、九星気学は「人」から見ます。生年月日から一白水星、二黒土星といった九つの本命星のどれにあたるかを割り出し、その人にとっての吉方位・凶方位を読んでいきます。同じ東という方位でも、本命星によって意味合いが変わってくるわけです。
九星気学がユニークなのは、吉方位が毎年・毎月動くところです。だから「事務所の移転にいい方角」も「商談に出向くのに向いた時期」も、その年その月で変わります。
さらに五黄殺・暗剣殺と呼ばれる凶方位も動くため、大きな決断の前に、方位を確認する経営者の方は少なくありません。
事務所の移転や出店、大口取引先への訪問といった、やり直しのできない判断ほど、この視点は使いどころがあります。
風水や九星気学は経営判断にどこまで役立つか
風水も九星気学も、それをやれば必ず売上が伸びると保証するものではありません。それでも取り入れる価値があるとすれば、理由は二つあると考えています。
一つは、環境を整える行為そのものに実利があること。背後が守られた席は落ち着きますし、片づいたデスクでは思考が散りません。ここに理屈上の無理はありません。
もう一つは、判断の軸が一本増えること。経営判断は、たいてい情報が足りない状態で下すものです。だからこそ「決めきれない」時間が長引く。方位という別の軸を一つ置くだけで、堂々巡りから抜け出せることがあります。
それは占いに決めてもらうことではなく、自分の決断に踏ん切りをつけるための補助線を持つということです。
自社の事務所・店舗を風水と九星気学の専門家と見直してみる
ただ、ここから先は独学で詰めきるのが難しい領域でもあります。風水は間取りや建物の向き、入口の位置によって読み方が変わり、九星気学ではそこにご自身の本命星と、その年の九星の配置が重なるからです。
そして経営者の方の場合、知りたいのは「デスクの向き」そのものではありませんよね。今期この投資を決めるべきか。あの人に任せていいのか。二号店を出すなら、いつどの方角か。環境の話と、事業判断の話は地続きなのです。
だからこそ、事務所や店舗の間取り図を前に、ご自身の本命星と今の事業フェーズを踏まえて対話できる相手がいると、話は早く進みます。
名古屋の占いカフェ イーマジョでは、風水や九星気学を用いる占い師が在籍しており、完全個室でのご相談や、電話相談も承っています。経営に関わる内容は外に出しづらいものですから、その点も安心してお話しいただける環境を整えています。
事務所や店舗の風水についてよくある質問
Q1.風水と九星気学は何が違うのですか?
風水は「場所」を、九星気学は「人」を見る術です。風水は間取りや方角といった環境そのものを整える考え方で、誰が使っても同じ読み方になります。一方の九星気学は、生年月日から割り出す本命星をもとに、その人にとっての吉方位・凶方位を読みます。
どちらも陰陽五行を土台にしているため似て見えますが、役割が違うので併用されることの多い組み合わせです。
Q2.事務所が賃貸でレイアウトを大きく変えられません。何かできることはありますか?
デスクの向きを変える、背後を壁側に寄せる。この二つだけでも、風水の考え方としては大きな変更にあたりますし、工事も不要です。加えて、使っていない什器や開けていない段ボールを処分するのも、気の流れを整え、運気を動かすという意味では有効とされています。
方角を変えられない場合でも、できることは残っています。
Q3.店舗の移転や二号店の出店は方角を気にしたほうがいいですか?
やり直しの効かない判断ほど、方位を確認する経営者の方は多くいらっしゃいます。
九星気学では吉方位・凶方位が毎年・毎月移動するため、「今の自分にとって、いつ、どの方角か」は個別に見る必要があります。候補地が複数あって決めきれないとき、判断の軸を一つ増やす材料として使われることの多い考え方です。
Q4.自分の本命星はどうやって調べればいいですか?
生年月日から割り出せます。ただし九星気学では一年の区切りを1月1日ではなく立春に置くため、1月1日から立春の前日までに生まれた方は、前年の星になります。立春の日付は年によって2月3日〜5日ごろと変動するので、この時期に生まれた方は特に注意が必要です。
本命星のほかに月命星もあり、両方を踏まえて読むため、実際の判断に使う場合は占い師に確認するのが確実です。
経営判断に環境と運気という軸を増やす
環境と運気という変数は、これまで経営の判断材料に入っていなかっただけで、決して当てにならないものではありません。数字と、現場の実感と、そこにもう一本。軸が増えたぶんだけ、あなたの決断はきっと、いま以上に迷いのないものになっていくはずです。



